省スペースガスケット

独自の設計で、安定したシール機能と15%の省スペース化を実現

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特長

  1. 従来設計に対して、径方向のスペースを約15%省スペース化が可能です。
  2. 高圧下でも姿勢変形がなく、安定したシール性能を発揮します。


特性

車載ユニットのコンパクト化・軽量化ニーズへの対応

日々進歩・進化する、自動車の低燃費化に伴い、車載ユニットには、コンパクト化・軽量化のニーズが高まっています。
このニーズに対応して、各ユニットの小型化、薄肉化、素材軽量化へ新技術の開発が進み、筐体素材では鉄やアルミから樹脂材、また板金プレス化への進化などがあります。
シール部品に対してはコンパクト化による省スペースへの対応、また軽量化により、筐体素材変更に伴う寸法のバラツキ(公差拡大)やクリープへの追随性がこれまで以上に求められています。
車載ユニットの新技術に求められるシール部品、その一つの解決策として、新設計の省スペースガスケットを提案します。


従来設計の課題を解決するため、圧力下におけるガスケットの姿勢制御を可能とする断面形状として、省スペース重視の円筒タイプと溝深さのバラツキ追随性重視のフランジタイプを開発しました。


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    円筒タイプ:省スペース重視
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    フランジタイプ:溝深さバラツキ追随重視


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低燃費の実現へ 省スペースガスケットに期待される特性

コンパクト化および軽量化対応には、小断面設計とバラツキ・クリープ追随性の拡大が求められますが、この2つはガスケットにおいて相反する特性です。新設計の省スペースガスケットは、従来設計の焼き付けガスケットではできなかった、相反する特性を両立しました。


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従来設計の課題

従来設計は、上下対称断面のガスケットが一般的です。
この断面形状で締代公差の大きい条件に対して小断面設計を行った場合、締代最小値の条件においては圧力が加わると大きく姿勢が崩れてしまい、小断面設計を諦めざるを得ない問題がありました。


※圧縮後は締代0.4mm、圧力0.6MPaの解析結果(当社による解析)


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省スペースガスケットの解析

優れた姿勢制御技術

従来設計の課題を解決するため、圧力下におけるガスケットの姿勢制御を可能とする2つの断面形状である円筒タイプ、フランジタイプを開発しました。両タイプとも、圧縮後の加圧においても、締代最小値では姿勢変形が発生しておらず、高圧下で安定したシール性能を発揮することが可能です。



円筒タイプ:省スペース重視


円筒タイプの解析より、加圧後も姿勢が崩れることはなく、セルフシールが機能していることを確認しました。


※圧縮後は締代0.3mm、圧力1.0MPaの解析結果(当社による解析)


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フランジタイプ:溝深さバラつき追随重視


フランジタイプの解析より、加圧後の姿勢変形はなく、上面リップ、底面リップ、外周側ともに面圧が上昇し、セルフシールが機能していることを確認しました。


※圧縮後は締代0.3mm、圧力1.0MPaの解析結果(当社による解析)


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装着溝寸法

装着に必要な溝幅(目安)は、圧力1MPa、溝深さバラつき±0.6mmの場合、円筒タイプで最小5mm、フランジタイプで最小3.5mmの対応が可能です。


1MPa以上の圧力、±0.6mm以上のバラツキにおいても検討可能です。


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採用イメージ

省スペースガスケットにゴム材料の制約はありません。シール対象物、使用温度に最適なゴム材料を選定できます。この特長を活かし幅広く、車載ユニットだけでなく、水やガスなど幅広いシール用途に採用されています。


エンジン系
  • サイズダウンに伴う、油・冷却水回路のコンパクト化
  • 機能集約・熱マネ対応に伴う、シール部の複雑化
  • 高出力化に伴う、高圧シール対応
  • シール部品の組付け工数削減、作業簡素化

ミッション系
  • 組立てガタなど、締代バラつき対応
  • 高温時、低温時へのシール追随対応

製品ラインアップ

ガスケットシリーズ

ガスケットは、蓋と本体などの接合面に液体や気体を密封するために用いられる平面固定用のシールです。自動車や電動車向けの各種オイル、クーラントなどのフルード用のほか、建機や一般産業機械、食品用機械、電子機器など、さまざまな用途のシールとしてご採用いただいております。