オイルシール トラブル対策
リップ部の異常 変形・破損
現象1:リップ反転(めくれ)・ばね外れ
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リップ反転(めくれ)によって漏れたオイルシールのリップ状態 -

リップの反転(めくれ)により密着性が損なわれ、漏れに至ります。
反転に応じた摩耗の有無によって、分解時に発生した変形・ばね外れかどうかを判別できます。
| 面取り部が粗い、エッジがある或いはバリやカエリがある軸を挿入 | ・軸の面取り部の粗さや角Rを適切にする カタログ【オイルシール取付け部の設計】 |
|---|---|
| 面取り部に潤滑を付けずに軸を挿入 | ・オイルシールの面取り部、又は軸の面取り部に潤滑油又は鉱油系リチウムグリースを薄く塗布する カタログ【シール用NOKクリューバ―潤滑剤】 |
| シールの取扱いの中で治具等がリップ部に干渉 | ・取扱いにおいてオイルシールのリップとの干渉は可能な限り避ける |
| 偏心した状態で軸を挿入 | ・軸挿入時にガイド治具を用いて軸を真っすぐに挿入する 動画【オイルシールの取扱方法 軸の挿入編】 |
| 稼働中にシールの許容圧力を超えた圧力が発生 | ・リップ部に圧力がかからないようにする(ブリーザー等を設ける) ・耐圧用オイルシールに変更する 製品ラインアップ【耐圧オイルシール】 |
現象2:シール変形
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変形時のオイルシールの状態と変形が生じる圧入事例 -

シールが変形するとリップの接触状態も不安定となり漏れが発生します。
変形に対応した摩耗の有無によって分解時の変形かどうかを判別できます。
| オイルシールを圧入する際に、シール内周側に荷重をかけて圧入 | ・シール外周部に力がかかる治具を使って圧入する 動画【オイルシールの取扱方法 シールの圧入編】 |
|---|---|
| シールの一部分をハンマー等で叩いて圧入 | ・治具とプレスによる圧入ができず、ハンマーでの圧入をする場合は当て板を使って全周を均等に少しづつ叩いて圧入する 動画【オイルシールの取扱方法 シールの圧入編】 |
現象3:リップ破損(圧力)
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圧力によって破損したオイルシールの状態 -

リップ破損が発生すると、隙間が生じ漏れが発生します。
| シールの許容圧力を超える高い内部圧力が使用中やリーク検査時に発生 | ・リップ部に圧力がかからないようにする(ブリーザー等を設ける) ・耐圧用オイルシールへ変更 製品ラインアップ【耐圧オイルシール】 |
|---|---|
| 圧力がかかるシールに不適な周囲構造(ハウジングのつば寸法不適、スナップリングで直接シールを押さえる) | ・適切な寸法のつば付きのハウジング構造へ変更する ・やむを得ずスナップリングを使用する場合は押さえ板を使用する カタログ【オイルシール取付け部の設計】 |
現象4:クラック(低温脆化割れ)
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低温脆化割れによって漏れたオイルシールのリップしゅう動面
クラックが発生すると隙間が生じ漏れが発生します。
低温脆化による割れは、材料の恒久的な変質を伴わないため、熱劣化による硬化クラックと判別できます。
| ゴムの耐寒限界を超えた温度環境(+軸の偏心などの外力) | ・耐寒性が良いゴム材料へ変更する カタログ【オイルシールの材料】 |
|---|
リップ部の異常 傷・異物かみ込み
現象1:リップ傷
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リップ傷によって漏れたオイルシールのリップしゅう動面
リップに傷が付くと隙間が生じ漏れが発生します。
傷の上から摩耗があるかによって、分解時に発生した傷かどうかを判別できます。
| 軸挿入時やシール運搬中に軸や治具の鋭利部分とリップが接触 | ・軸挿入時に保護カバーを装着する ・運搬、保管方法の改善 カタログ【オイルシールの保管上の注意点、保管期限、取扱方法】 |
|---|---|
| 軸挿入時の保護キャップのバリやカエリ部とリップが接触 | ・保護キャップ端部などのバリ・カエリなきことの管理(図面指示) ・経年でカエリが生じる場合は定期的に修繕する。硬い場所に置いている場合は緩衝性がある置き場へ変更する 動画【オイルシールの取扱方法 組付け前のチェックポイント編】 |
| 偏心した状態での軸を挿入によってリップと強く接触 | ・軸挿入時にガイド治具を用いて軸を真っすぐに挿入する 動画【オイルシールの取扱方法 軸の挿入編】 |
| 軸の面取り部の角部が鋭利あるいは粗い部分とリップが接触 | ・軸の面取り部の粗さや角Rを適切にする カタログ【オイルシール取付け部の設計】 ・オイルシールの面取り部、又は軸の面取り部に潤滑油又は鉱油系リチウムグリースを薄く塗布する カタログ【シール用NOKクリューバ―潤滑剤】 |
現象2:異物かみ込み(組付け時)
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異物かみ込みによって漏れたオイルシールのリップしゅう動面 -

異物をかみ込むと隙間が生じ漏れが発生します。
かみ込み跡周辺でのリップ摩耗の途切れの有無によって、分解時に発生した凹みかどうかを判別できます。
| 異物が付着した軸や治具をリップへ挿入 | ・軸や治具の保管や輸送の際は、外気に曝されない状態にする(蓋、カバーなど) ・軸や治具の保管や輸送時に、リップ部を通過する範囲を接触させない(異物付着防止) ・軸や治具などをシールに挿入する前に、リップ部を通過する範囲に付着した異物を洗浄する 動画【オイルシールの取扱方法 組付け前のチェックポイント編】 カタログ【オイルシールの保管上の注意点、保管期限、取扱方法】 |
|---|---|
| 異物が混入したグリースをリップ部へ塗布 | ・グリースの塗布は異物付着なき様留意する。毛羽がでる手袋などではグリースを塗布しない。 |
| 異物が付着したオイルシールを使用 | ・オイルシールの保管時はリップ部に異物付着なき様に、外気に曝されない状態にする(蓋、カバーなど) |
現象3:異物かみ込み
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異物かみ込みによって漏れたオイルシールのリップしゅう動面 -

リップに異物がかみ込むと隙間が生じ漏れが発生します。
| リップ部への内部異物のかみ込み | ・耐内部異物用オイルシールへ変更 製品ラインアップ【耐内部異物用オイルシール】 ・ギヤ等の内部の摩耗部品の異常確認や強度の見直し |
|---|---|
| リップ部への外部異物のかみ込み | ・ダストリップまたはサイドリップ、或いは外側に更にシールを追加する ・過酷な環境の場合は軸付オイルシールへ変更 製品ラインアップ【軸付きオイルシール】 ・ダストカバーやラビリンス構造を設ける ・ネジ付きリップなど、よりロバスト性が高いリップ仕様へ変更する(専用設計) |
現象4:異物の固着
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グリースの劣化固着によって漏れたオイルシールのリップしゅう動面
リップしゅう動部に異物が固着すると隙間が生じて漏れが発生します。
| グリースやオイルの耐熱限界を超えた温度での使用によりグリースあるいはオイルが劣化して固着 | ・耐熱性に優れたグリースやオイルに変更する カタログ【オイルシールの材料】 |
|---|---|
| 油量不足や実機構造等に起因するシールリップへのオイル供給不足によるしゅう動発熱大 | ・機器内の発熱を抑制する ・劣化要因を解消する(混入物等による劣化) ・シールリップ部まで潤滑が到達する油量や実機構造の見直し ・リップ間へのグリース塗布 カタログ【シール用NOKクリューバ―潤滑剤】 |
| 放熱性の悪い軸(溶射軸など)や異常な粗さの軸を使用し、リップ部でのしゅう動発熱大 | ・軸の材質やコーティング、粗さの見直し カタログ【オイルシール取付け部の設計】 |
リップ部の異常 摩耗大
現象1:過大摩耗
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過大摩耗によって漏れたオイルシールのリップしゅう動面
摩耗が進行するとリップ内径が拡大して(しめしろ低下)、軸への偏心追随性が失われ漏れが生じます
| 油量不足や実機構造等に起因するシールリップへのオイル供給不足 | ・シールリップ部まで潤滑が到達する油量や実機構造の見直し ・リップ間へのグリース塗布 カタログ【シール用NOKクリューバ―潤滑剤】 |
|---|---|
| 低温や劣化に起因するオイル粘度増等によってシールリップへ部へ到達する油量が少ない | ・油のメンテナンスの見直しや、使用温度環境に適したオイルグレードへの変更 |
| リップ部への内部異物のかみ込みによる摩耗 | ・耐内部異物用オイルシールへ変更 製品ラインアップ【耐内部異物用オイルシール】 ・ギヤ等の内部の摩耗部品の異常確認や強度、オイルグレードの見直し |
| リップ部への外部異物のかみ込みによる摩耗 | ・ダストリップまたはサイドリップ、或いは外側に更にシールを追加する ・過酷な環境の場合は軸付オイルシールへ変更 製品ラインアップ【軸付きオイルシール】 ・ダストカバーやラビリンス構造を設ける |
| 過大な圧力による摩耗 | ・リップ部に圧力がかからないようにする(ブリーザー等を設ける) ・耐圧用オイルシールへ変更 製品ラインアップ【耐圧オイルシール】 |
| 軸粗さ大や軸の錆による摩耗 | ・軸粗さや錆の改善 カタログ【オイルシール取付け部の設計】 |
現象2:摩耗大(凹状・ベタ当たり摩耗)
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圧力によって異常摩耗したオイルシールのリップしゅう動面 -

凹状摩耗やべた当たり摩耗が発生すると、リップと軸の接触状態が不安定となり、漏れが発生します。
| オイルシール部にかかる圧力が設計値以上 | ・リップ部に圧力がかからないようにする(ブリーザー等を設ける) ・グリースガン使用時は、過度な充填圧力を避ける ・耐圧用オイルシールへ変更 製品ラインアップ【耐圧オイルシール】 |
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リップ部の異常 偏摩耗
現象1:偏摩耗(取付け偏心大・軸の撓み)
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取付け偏心を受けたオイルシールの状態
偏心が大きいとリップが軸に追随できなくなり漏れが発生します。
| 軸とハウジングの中心がずれた状態での取付け | ・軸とハウジングの同心度の精度を上げる |
|---|---|
| 荷重等による軸の撓み | ・軸の撓みに対する軸剛性の確保 ・軸にかかる荷重(過積載など)の抑制 |
| 偏心に対してリップの追随性が不足 | ・耐偏心用のオイルシール(専用設計)と交換する |
現象2:傾斜圧入
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傾斜圧入時のオイルシールの状態と傾斜が生じる圧入事例
傾斜によってリップの接触状態が不安定となり漏れが発生します。
外周部の傾斜形跡やTタイプの場合リップの摩耗大小部の位置が逆にあることなどから取り付け偏心による偏摩耗と区別できる場合があります。
| ハウジングの面取りや寸法が不適な状態により圧入時にシールが傾斜 | ・ハウジングの面取り、寸法や組付け治具の改善 カタログ【オイルシール取付け部の設計】 |
|---|---|
| 圧入治具やシールが傾斜した状態でシールを圧入 | ・ハウジングへの組付けを改善 動画【オイルシールの取扱方法 シールの圧入編】 |
| ハウジング自体や軸が傾斜した状態で使用 | ・ハウジングの取付け異常の改善 ・ベルトなど軸にかかる偏荷重の緩和 |
リップ部の異常 劣化・ゴムの硬化軟化・膨潤
現象1:リップ部硬化・硬化クラック
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硬化クラックによって漏れたオイルシールのリップしゅう動面
クラックが発生すると隙間が生じ漏れが発生します。
| ゴムの耐熱限界を超えた温度環境で使用 | ・耐熱性に優れたゴム材料に変更する カタログ【オイルシールの材料】 ・機器内の発熱を抑制する |
|---|---|
| 油量不足や実機構造等に起因するシールリップへのオイル供給不足によるしゅう動発熱大 | ・シールリップ部まで潤滑が到達する油量や実機構造の見直し ・リップ間へのグリース塗布 カタログ【シール用NOKクリューバー潤滑剤】 |
| 放熱性の悪い軸材質(セラミックなど)や粗さが異常な軸によるリップしゅう動発熱大 | ・軸の材質やコーティング、粗さの見直し カタログ【オイルシール取付け部の設計】 |
現象2:オゾンクラック
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オゾンクラックによって漏れたオイルシールのリップしゅう動面
クラックが発生すると隙間が生じ漏れが発生します。
オゾンクラックはゴムの硬化を伴わないクラックであるため、ゴム硬化の有無によって熱硬化によるクラックと判別することができます。
| 耐オゾン性がないゴムをオゾン環境で使用 | ・耐オゾン性に優れたゴム材料に変更する カタログ【オイルシールの材料】 ・保管状態や使用環境を見直す ※放電を伴う装置、紫外線を発する機器、ならびに大気オゾンを吸気・圧縮する設備からの影響を避ける |
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現象3:リップの膨潤・軟化
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軟化・膨潤によって漏れたオイルシールのリップ状態
リップが軟化膨潤すると軸との接触が不安定となり漏れが生じます。
| ゴム材料と相性が悪い密封対象を使用 | ・リップを膨潤させない油に変更する カタログ【シール用NOKクリューバー潤滑剤】 製品情報【潤滑剤】 |
|---|---|
| 機器の洗浄や塗装或いは使用環境でゴム材料と相性が悪い液体がシールに付着 | ・密封対象に対して耐性があるゴム材料に変更する カタログ【オイルシールの材料】 ・溶剤などの相性が悪い物質とシールとの接触を避ける |
はめあい部の異常 変形・破損
現象1:変形
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変形によって漏れたオイルシールのはめあい部
シールに全体に変形が生じると、特に外周金属環タイプのシールは外周部も変形し隙間が生じ漏れが発生します。
| シールの取扱いで変形 | ・取扱いの際に落下させたり、ぶつけたりしないよう注意する ・落としたシールは可能な限り使用しない |
|---|---|
| オイルシールを圧入する際に、シール内周側に荷重をかけて圧入 | ・シール外周部に力がかかる治具を使って圧入する 動画【オイルシールの取扱方法 シールの圧入編】 |
| シールの一部分をハンマー等で叩いて圧入 | ・治具とプレスによる圧入ができず、ハンマーでの圧入をする場合は当て板を使って全周を均等に少しづつ叩いて圧入する 動画【オイルシールの取扱方法 シールの圧入編】 |
| シールが傾斜した状態で圧入 | ・水平に置いてから均一に加圧して組付ける 動画【オイルシールの取扱方法 シールの圧入編】 |
はめあい部の異常 傷・異物かみ込み跡
現象1:ムシレ、傷
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傷やムシレによって漏れたオイルシールのはめあい部 -

外周にムシレや傷が発生すると隙間が生じ漏れが発生します。
傷部や傷周囲の表面状態から分解時のムシレや傷かどうかを判別できる場合があります。
| ハウジングの面取りや寸法が不適な状態で圧入 | ・ハウジングの面取り、寸法や組付け治具の改善 カタログ【オイルシール取付け部の設計】 |
|---|---|
| シールが傾斜した状態で圧入 | ・水平に置いてから均一に加圧して組付ける 動画【オイルシールの取扱方法 シールの圧入編】 |
現象2:ハウジングの傷・巣
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傷から漏れたハウジング内周とシールはめあい部 -

ハウジングの傷や巣により隙間が生じ漏れが発生します。
| ハウジングを取扱う際に傷が発生 | ・取扱いまたは保管方法を改善する カタログ【オイルシールの保管上の注意点、保管期限、取扱方法】 |
|---|---|
| 鋳造工程での物理的・化学的要因による巣の発生 | ・鋳造の条件変更など |
はめあい部の異常 シールの抜け・脱落
現象1:シールの脱落
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シール脱落状態と脱落しやすい圧入やハウジング形状
離脱荷重が低下した状態で、圧力が加わることによって、シールが脱落し漏れが発生します。
| 圧入不足により外周ゴム部がハウジング面取りに乗り上げ 傾斜状態で圧入 |
・ハウジングへの組付けを改善 動画【オイルシールの取扱方法 シールの圧入編】 |
|---|---|
| ハウジング粗さが小さい ハウジングに抜け防止でつけた溝の角部が丸い(エッジになっていない) ハウジング径大(初期寸法小、永久成長、熱膨張) |
・ハウジングの粗さ、面取り、寸法や組付け治具の改善 カタログ【オイルシール取付け部の設計】 |
| 熱影響によるシール外径寸法小(へたり) | ・耐熱性のよいゴム材料へ変更する カタログ【オイルシールの材料】 |
| 過大な圧力が発生 | ・圧力の低減やハウジングつば付き形状によるシール抜け防止 カタログ【オイルシール取付け部の設計】 |
シールに異常がない場合 組付けの異常
現象1:逆組付け
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正しいオイルシールの装着向き
オイルシールを逆側に取付けると漏れが生じます。
| 誤組付け | ・シール方向を確認した上で圧入する |
|---|
シールに異常がない場合 使用環境不適
現象1:軸偏心大
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軸偏心について
軸の偏心量が大きいと、リップが追随できずに動的な隙間が生じて漏れが発生します。
| ベアリングなど機器の異常による軸偏心大 | ・機器異常の改善やベアリングなど部品の交換 ・耐偏心用のオイルシール(専用設計)と交換する |
|---|
現象2:微細な異物かみ込み
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オイルシールのばねに金属粉の付着有り -

リップしゅう動面に異常は認められない
リップに異物がかみ込むと隙間が生じ漏れが発生します。
なお、微細な異物の場合は、かみ込んだ形跡がない場合があります。
| 機器内部で発生した微細な鉄粉などの異物のかみ込み | ・耐内部異物用オイルシールへ変更 製品ラインアップ【耐内部異物用オイルシール】 ・ギヤ等の内部の摩耗部品の異常確認や強度の見直し ・ネジ付きリップなど、よりロバスト性が高いリップ仕様へ変更する(専用設計) |
|---|
現象3:低温追随性不足
シールの低温側の限界目安(TR10)と軸偏心、密封対象の低温粘度等の要因が複雑に作用し、低温下で軸偏心への追随が不足し漏れが発生する場合があります。
| リップ材料の適用温度範囲外の低温環境で使用 | ・耐寒性のよいリップ材料へ変更する カタログ【オイルシールの材料】 |
|---|---|
| 軸偏心大 | ・軸偏心を抑える |
| 密封対象の低温時粘度低 | ・低温時粘度の高い油へ変更する |
シールに異常がない場合 軸の異常
現象1:軸の方向性(斜め方向の加工目)
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軸の方向性によって漏れた軸の状態
軸の斜め方向の加工目は、回転時に油を搬送する作用が生じ漏れが発生します。
| 軸方向に動かす加工で仕上げを実施(スーパー仕上げ、トラバース研磨など) | ・プランジ研磨(送りをかけないグラインダ―仕上げ)を推奨 |
|---|---|
| 研磨代不十分により、下地の粗加工(旋盤加工)が残留 | ・下地の加工が残留しないよう、研磨代を十分に確保する |
| 砥石のネジ目が軸に転写 | ・研磨はスパークアウトまで実施(砥石/加工軸を非整数比。砥石切込みを停止させ、火花が出なくなるまで研磨) ・砥石のドレッシングはロータリードレッシングを推奨、ワンポイントドレッシングの場合は送りを遅くする |
| 錆、塗料付着、傷などの手直しでペーパー掛けを実施 | ・斜め方向の加工目が生じない方法で手直しをする カタログ【オイルシール取付け部の設計】 |
現象2:軸方向の動き大
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軸方向動きによる掻き出し漏れ
ダストリップがあるTCタイプ等は、軸方向の動きのストロークがリップ間長さより大きい場合にダストリップで油膜が掻き出されて漏れが発生します。
オイルシールには異常形跡は残りません。
| 軸方向の動きが大きい(主リップとダストリップ間の長さより大) | ・軸方向の動きを抑える ・ダストリップが無いリップ仕様に変更する ダスト性を確保する場合は、軸方向の動きで掻き出し漏れが生じない位置にダスト用のシールを追加する ・特殊なシール形状に変更する(専用設計) |
|---|
現象3:軸傷
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傷によって漏れた軸の状態
軸に傷が付くと隙間が生じ漏れが発生します。
傷の上から摩耗があるか、摩耗部で傷が浅くなっているまたは途切れているかによって、分解時の傷と区別します。
| 保管や輸送時の軸のリップしゅう動部で支持、固定、接触 | ・軸や治具の保管や輸送時に、リップしゅう動部を接触させない カタログ【オイルシールの保管上の注意点、保管期限、取扱方法】 |
|---|---|
| 組付け時に実機の周囲構造と接触 | ・軸の取扱い、組付け状況の改善 動画【オイルシールの取扱方法 軸の挿入編】 |
現象4:シール変形軸摩耗形状の転写・軸摩耗大
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軸摩耗が進んだ軸とオイルシールのリップしゅう動面状態
軸摩耗が進行するとオイルシールリップとの接触状態が不安定となり漏れが発生します。
また、摩耗した軸の再利用により古い摩耗部にリップ部が接触すると漏れが発生します。
| リップ部への異物のかみ込みによる摩耗 | ・リップ部への異物のかみ込みによる摩耗 ・油のメンテナンスの見直しや、使用温度環境に適したオイルグレードへの変更 ・耐内部異物用オイルシールへ変更 製品ラインアップ【耐内部異物用オイルシール】 ・ギヤ等の内部の摩耗部品の異常確認や強度、オイルグレードの見直し ・ダストリップまたはサイドリップ、或いは外側に更にシールを追加する ・過酷な環境の場合は軸付オイルシールへ変更 製品ラインアップ【軸付きオイルシール】 ・ダストカバーやラビリンス構造を設ける |
|---|---|
| 非鉄金属など軸材質が不適 | ・軸材質の変更 カタログ【オイルシール取付け部の設計】 |
| 軸の再利用で古い軸摩耗部にリップが接触 | ・軸を再利用しない 或いは再研磨・再メッキを施す。シムなどを用いてシールリップの位置をずらして使用する |
現象5:軸のピンホール
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ピンホールによって漏れた軸の状態
軸にピンホールがあると隙間が生じ漏れが発生します。(目安として0.05mm以上のピンホールが密封性に影響を与えます)
| 軸材質、製造過程 | ・ピンホールが発生しない材質への変更 ・ピンホールが生じづらい製造条件への変更 ・メッキなどを施すカタログ【オイルシール取付け部の設計】 |
|---|
現象6:軸の錆、固着物
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錆によって漏れた軸の状態
軸の錆や固着物の噛込みにより隙間が生じ漏れが発生します。(シールに過大摩耗が生じる場合もあります)
| 腐食しやすい環境(水、湿度、塩、酸など)で使用 | ・ダストリップまたはサイドリップ、或いは外側に更にシールを追加する ・過酷な環境の場合は軸付オイルシールへ変更 製品ラインアップ【軸付きオイルシール】 ・ダストカバーやラビリンス構造を設ける |
|---|---|
| 耐食性が低い材質を使用 | ・錆びにくい軸材質への変更やメッキ処理をする カタログ【オイルシール取付け部の設計】 |
シールに異常がない場合 ハウジングの異常
現象1:ハウジング粗さ大・合わせ面隙間
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割り型ハウジングの例
割り型ハウジングは、合わせ面からの漏れが生じる場合があります。
| ハウジング合わせ面の隙間 ハウジング合わせ面の段差によるシール外周部との隙間 ハウジング穴の真円度異常 軸中心とハウジング穴の中心のずれ |
・合わせ面の隙間や段差、真円度異常を防ぐ加工をした上で、オイルシールを装着する カタログ【オイルシール取付け部の設計】 |
|---|
シールに異常がない場合 別部位からの漏れ
現象1:漏れの誤認
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塗布量過多によるグリースはみ出しの例
リップ間に塗布したグリースのはみ出し、シール周辺の他部位からの漏れや、組み立て時に周囲に付着した油分などをシールからの漏れと誤認される場合があります。
| リップ間へのグリース塗布量過多 | ・リップ間のグリース充填量を適量にする 目安:内周側からはみ出さない(盛り上がらない)程度 |
|---|---|
| 組み立ての際にシール周辺へ油分が付着 | ・組付け時にはみ出したグリースや、周囲の油分をふき取る 動画【オイルシールの取扱方法 組付け前のチェックポイント編】 |
| シール周辺の他の部位からの漏れ(密封装置、ケースの合わせ面、ブリーザー、鋳巣やクラック) | ・他部位における漏れ要因の特定および対策 |