スクィーズパッキン
特長
スクィーズパッキンは寸法、形状ともに多種多様であり、次のような特長があります。
- ①低価格である。
- ②機器の小型化、簡素化による取付けスペースの縮小に対応できる。
- ③広範囲の圧力、温度、流体、環境に使用できるセルフシールタイプである。
- ④装着、取替えが簡単であり、調整が不要である。
- ⑤使用者による選定が容易である。
各製品の特長

Oリング: スクィーズパッキンの中で最も使用されており、ISO、JIS、JASOなどの規格にも規定され、設計・取り扱いともに簡単であり、また低価格で容易に入手できるパッキンです。
Dリング: 断面がD字形のパッキンで、往復動用としてはOリングのようにネジレが発生しにくいパッキンです。Oリングのネジレ対策として採用される場合が多いですが、最近では自動車のAT(オートマチックトランスミッション)や建設機械のブレーキなど、往復動用に多用されています。
Xリング: 断面がX字形のパッキンで、往復動用、一部の回転用のパッキンとして用いられており、Oリングのネジレ対策としてだけでなく、摩擦特性、密封性が優れています。ただし、剛性がないために高圧用途には適していません。
Tリング: 断面がT字形のパッキンで、低摩擦特性のシールとして使用されています。広範囲の往復動および低速の回転揺動用として実績があります。パックアップリングを併用することにより耐圧性がアップしますが、組み付け性に劣り、スクィーズパッキンのなかでは高価なものになります。
材料の選定方法
材質選定にあたっては、使用される環境、温度、流体の種類、使用圧力などの各条件に応じて選定する必要がありますので、最寄りの営業所までご相談ください。
なお、Oリングについては固定用シール/非金属スクィーズパッキンのNOK・Oリングの種類とNOK・Oリング材料の種類と特長を参考としてください。
シール寸法・溝寸法の設定
各製品のカタログをご参照ください。特殊用途については最寄りの営業所までご相談ください。
溝粗さ
パッキンしゅう動面の設計はパッキンの摩擦摩耗特性に大きく影響します。 表面粗さ推奨値は固定用シール/非金属スクィーズパッキンのみぞ部の表面粗さを参照ください。粗さの形態としてはホーニング仕上げによって生じるクロスハッチ模様の仕上げ面が好ましく、ピークの鋭い粗さ波形は好ましくありません。
溝すきま
溝すきまは製作可能な限り小さくすべきですが、溝すきまが限界以上となる場合にはバックアップリングの使用をおすすめします。溝の設計、バックアップリングの要否については最寄りの営業所にご相談ください。